西東京で葬儀、さてどこで？
昔の地域共同体において葬儀を行うとなれば、これは大抵、家から葬式を出したわけです。つまりそれぞれの家庭がそのまま葬儀場として機能したわけです。共同体共通の菩提寺から僧侶が赴き経を上げ、共同体の者が棺を担ぎ定められた場所に運んで荼毘に付すなり埋葬するなりの手伝いを行っていました。現在ではどんなに近所づきあいの良い町でも、他家の葬儀に地域住民が口を出すことも少なくなりました。現在の西東京の葬儀であればなおさらでしょう。
ところが現代の家庭というものは都市部においてはほとんどが核家族であり、構成人員もごく少数にとどまります。最悪、たった一人で葬式を出さねばならず、全ての手配も自分で、となるとこれは大変な作業になります。西東京で葬儀を行う場合、火葬も埋葬も厳密に法令や条例で定められており、他府県から移住してきた家族がこれらを滞りなく執り行う困難さは想像に余りあります。そこで現代社会においては冠婚葬祭のプロフェッショナルというものが必然として誕生したわけです。
核家族、特に西東京に住む「新規・西東京人」の家庭の住居は概ねスペースが限られています。たとえ一戸建てであっても、よほどの豪邸でない限り、作法にのっとって西東京で葬儀を行うのは、難しいでしょうし、集合住宅の特に高層階ではまず不可能であると言ってよいのではないでしょうか。こうした場合、会場としては集会所、町会所、公民館といったところが用意されていますし、業者が運営する専門の葬儀場が存在してくれているわけです。
火葬施設についてもそれぞれの自治体で決まりがあり、西東京で葬儀を行うにしてもいろいろ細かくルールが定まっています。相談に乗ってくれる長老不在の都市生活では、誰もが途方に暮れてしまうところです。冠婚葬祭のプロフェッショナルに任せることで、こうした問題はすべてクリアされ、法律関係にわずらわされることなく、遺族はひたすら故人の冥福を祈っていればよいということになるのです。
ところで、専門の業者に西東京での葬儀を依頼するとなれば、相手はプロですからやはりなにがしかのギャランティを支払わなくてはなりません。かつての地域共同体での葬儀であれば、役場で支払う手数料と、手伝いの人にふるまう飲食代、お寺さんに納めるお布施の心配さえしていればよかったわけですが（これはこれで結構予算を要していたわけですが）、現代はすべてを専門業者に任せてしまえばよいわけです。予算についても実にシンプルで、しかも絶対に間違いが起こらないという安心感があります。
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